タイメディカルハーブを考える

タイメディカルハーブを中心に「食」と「健康」を考えます。日本では紹介されていないタイメディカルハーブなども紹介していきます。

ファータライチョン(ファータライジョン)和名:センシンレン(タイの薬草学)

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ファータライチョン(ファータライジョン)は日本名、センシンレンと言います。タイだけでなく、インドのアーユルヴェーダ(インド伝統医学)でも、このファータライチョンは使われており、風邪の治療薬として使われてきました。

現在、このファータライチョンは各国の製薬会社で、主に3つの研究が進められているメディカルハーブです。

①新型インフルエンザの薬
タミフルが中華料理で使われる八角の中の成分から発見されたように、現在、各国の伝統医学で使用されている薬草や薬の研究が非常に盛んです。このファータライチョンは抗菌作用、殺菌作用が強いため、インフルエンザウィルスを死滅させる成分の研究が盛んに行われています。
近年の研究では、新型インフルエンザウィルスや鳥インフルエンザウィルスなどに対しても殺菌性があることがわかっており、その分野においても非常に注目されています。

②坑HIV
ファータライチョンは抗菌・殺菌作用だけではなく、体の免疫力も高めてくれる効果があるメディカルハーブです。ですので、免疫力が弱まってしまうHIVウィルス(ヒト免疫不全ウィルス)の症状に対しては非常に効果が高いことがわかっています。タイでは、HIV感染者に対してファータライチョンを投与して一定の効果が発表されています。

③肝硬変の薬
日本では処方がありませんが、肝臓障害に対して使われるレガロンという薬がありますが、そのレガロンを上回る効果が報告されています。
また、繊維化してしまった肝細胞が復活したという報告もあり、各医薬品企業は成分の特定と抽出に躍起になっています。
ちなみにレガロンという薬もマリアアザミの中にある、シリマリンという成分から作られています。

ファータライチョン:センシンレン:ウコンよりスゴイ万能&肝機能強化ハーブ|超自然農法で作られた、完全無農薬・ノーケミカルのメディカルハーブサプリメント メディカルハーブサラダ

風邪の予防・治療のハーブ(タイの薬草学)

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先日お話したように風邪薬は風邪のウィルスを退治してくれる薬ではなく、体の症状を抑える薬ですので、場合によっては風邪が長引くこともあるわけです。
では、風邪をやっつけてくれる薬はなにかというと、一般的には坑ウィルス剤ということになります。

坑ウィルス薬というのは、対象のウィルスがわかっている場合に利用できるものですから、通常、風邪の場合、ウィルスを特定する前に自力で風邪が治るということになります。だから、「風邪」という症状を引き起こす100以上のウィルス全てに効くような坑ウィルス薬(風邪薬)を発明したらノーベル賞ものとよく言われるわけですね。

常に防護服を着ていない限り、必ず風邪などのウィルスは体内に入ってきます。まずは免疫力を高めることが重要なのですが、実はタイハーブの中に殺菌作用のある、つまり坑ウィルス薬のようなメディカルハーブがあるんですね。

ファータライチョン(ファータライジョン<タイ語は日本語にするとき複数の発音になることが多いのです。>)和名:センシンレンというメディカルハーブです。
このファータライチョン、タイ伝統医学では、解熱、食中毒、などに使われ、肝臓を強くするハーブとして利用されていました。現在、アメリカをはじめ各国でこのファータライチョンを元にインフルエンザの薬の開発が研究されています。数々の殺菌効果が報告されており、インフルエンザウィルスだけでなく、HIVウィルスに対しての効果の研究もされています。

日本でもいくつかファータライチョンが入っているサプリメントが出てきています。

 

ウコンはお酒にも効く!(笑)ウコン(カミンチャン)のお話その2

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前回ウコン(カミンチャン)のお話をしましたのでその続きをしましょう。
先に本日の結論ですが、ウコンはお酒にも効く。ということです。「にも」です。

昨日もお話しましたが、ウコン(カミンチャン)はタイでは基本、胃薬です。これはほとんど機序が解明されています。
簡単に言いますとウコン(カミンチャン)は胆汁の分泌を促進してくれます。
動物実験等でウコン(カミンチャン)は「ウルソ酸」と同じような働きをして、胆汁の分泌を助けてくれます。

では、胆汁とは・・・。
胆石などで胆嚢を摘出した方などは良くご存知とは思いますが、胆汁は肝臓でつくられて胆嚢で濃縮されて十二指腸から分泌され腸で様々なお仕事をして、腸から吸収され肝臓に戻ります。
ちなみに胆汁の元はコレステロール。
まぁ、そう簡単なお話ではありませんが、コレステロールが気になる方は胆汁をたくさん作れば良いかもしれません。
さて、胆汁はどんなお仕事をするかといいますと、すい臓から分泌される膵液と混ざって、三代栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)を分解します。<実際には分解するのは膵液で胆汁はそれを助ける働きと理解すればよいでしょう。>

大体、呑む時は食べます。消化吸収というのは体にとっては「負担」で、胆汁は肝臓で作られますから、「ウコンは肝臓の助け」にはなっています。
もちろん、ウコンには強肝作用もあり、抗酸化物質が多数含まれていますので、まぁ、ウコンはお酒にも効くということなのです。

でも、消化を助ける働きの方が大きいような気がしますが・・・。

 

「ウコンは効かない」の記事について

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先日、「ウコンは効かない」という記事がネットで広まりました。

健康食品「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明 - GIGAZINE

タイ伝統医学(ペートペンタイ)においてウコン(タイ語では、カミンチャンといいます。)は言わば万能薬で、体調が悪いときだけでなく、美容にも使われています。
ミスコンなどには欠かせないハーブでウコン(カミンチャン)で肌を磨く風景はタイでは割と普通の光景のようです。

さて、ウコンは効かないの記事では、ウコンの中に入っているクルクミンという成分は体内に吸収しにくいものなのでその効果は期待できない。というものです。
一方、試験管内では、クルクミンの薬理効果はある程度証明されているので、両方の意見を採用すれば、吸収できれば(体内に入れば)効く。ということになります。(じゃぁ、クルクミンお注射が良いのでは・・・ということですが。)

多くのウコンドリンクなどは、クルクミンを化学合成したり、単離抽出して、付加しているので、イメージダウンかもしれませんが・・・。

そもそもウコン(カミンチャン)には400~800種類ほどの成分があるといわれています。その中の一つにクルクミンという成分があり、これが薬理効果があるのではないかということで、研究がされています。しかしながら、まだ研究されていない成分が効いているのかもしれません。歴史的に「効く」と証明されているが、何故「効く」のかが解明されていない薬草は私達が想像しているよりもはるかに多いのです。
しかも、品種改良されていない原種のウコン(カミンチャン)であれば、1000種類を超える成分があるとも言われています。
タイでウコン(カミンチャン)を飲むときは、主に「胃薬」として使います。

実は、ウコン=お酒のお供という考え方は、日本ぐらいなのではないでしょうか?

タイの薬草・メディカルハーブ<マラキーノック(ゴーヤの原種)効果その2>

f:id:maetyuu0623:20170219133711j:plainマラキーノック第2弾です。
血糖値コントロールがあまりに凄いので、他の作用が付け足しのような感じがしますが、そんなことはありません。

抗HIV-1効果、免疫機能の向上、抗癌作用、食欲増進、虫下し、面チョウ、食あたり、腹痛、白内障、緑内障の予防、頭皮の皮脂の分泌を抑える作用、などの医学論文が発表されています。
全体的な考え方としては、マラキーノックは体の機能を強化するハーブと考えることができます。体の機能が強化された結果、免疫機能が強化され、抗癌作用、坑HIVなどの効果が現れると考えればわかりやすいと思います。虫下し効果としては、マラリアなどにも効果があることが報告されています。

 

タイハーブには、解明されている成分、まだ解明されていない成分を含めて通常1000種類以上の成分が含まれています。ですので、上記のように人体に対する「効果」が複数になります。
これに対して、「薬」と呼ばれるものや人工的に作られた「健康食品」などは成分が数種類です。この場合、体は、食べ物として認識できず、その成分が全て体内に入ってしまいます。これにより、「副作用」というものが起こってしまったり、体に負担をかけてしまうことになります。

 

タイの薬草・メディカルハーブ<マラキーノック(ゴーヤの原種)効果その1>

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マラキーノックのお話です。

マラキーノックで特に有名なのが血糖値のコントロールです。

血糖値が上がると糖尿になります。
糖尿病の怖さは合併症などを引き起こすことですが、そのあたりは今回は割愛していきましょう。
糖尿病の原因は1型、2型ともに、またその他の代謝異常などもふくめて、インスリンの分泌あるいは製造異常です。
インスリンというホルモンは実は体の中で唯一「血糖値」を下げるという働きをします。人間の長い歴史において、ほとんど「飢え」との戦いでした。ですので、体を動かすために「血糖値を上げる」仕組みは複数存在します。つまり、血糖値を上げて体を動かす必要はあったが、血糖値が上がりすぎるということは歴史的にほとんどありませんでした。ですので、飽食の現代では、このような異常事態が起こっているのです。

インスリンは血糖値を下げるために唯一のホルモンですが、「薬」としてこれを使用する場合、厄介なことが一つあります。他の物質と違い腸管吸収してくれない物質なのです。ですので、インスリンは「注射」でしか体内に入れることができません。

マラキーノックには植物性(フィト)インスリンといわれる「チャランチン」という成分が含まれています。<この成分はほとんど解明されており、作用機序もあらかた解明されているようです。>
このフィトインスリンの特徴は腸管吸収ができるので、経口摂取で取り込むことができるのです。
糖尿病でインスリンが少ない状態を緩和するのに非常に効果的です。
では、血糖値が低いときにもしこのマラキーノックを食べたらどうなるのか???
血糖値が下がってしまうのでは?と思いませんか?
実は、そうならないのが、「食べ物」の良いところです。血糖値が低いとき(空腹)は、体内のグルカゴン代謝を促して、血糖値を上げてくれるのです。

つまり、冒頭で書きましたが、マラキーノックは血糖値をコントロールしてくれるメディカルハーブなのです。

品種改良のお話

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品種改良というととても大げさに聞こえますが、植物は動物のように動き回ることができません。その場所の気候・土地の養分を吸って植物は生きていますので、その環境が変化すると実は植物の中で成分が少しずつ変化していきます。
言い換えれば、青森のおいしいリンゴを東京で栽培したらおいしくおいしくない(かも)。ということです。少なくとも、味は変わるでしょう。それは、つまりリンゴの成分が青森のそれと東京のそれが違うということです。

それとは別に人が意図的に品種改良することもあります。挙句の果てには遺伝子組み換えまでされています。

さて、私が小学生の頃はトマトもきゅうりもなすびもピーマンも、もっともっと味が濃かったような気がします。

ちなみにほうれん草のビタミンC含有量を比べると・・・
1951年は150mg→2005年は35mg(100gあたり)となんと1/5になっています。
つまり、昔と同じ様に栄養を摂取するためには5倍たべないといけない。。。

とはいえ、原産地で品種改良されていない野菜をとることはほとんど無理ですよね。
植物はこのように自分の体の成分を変化させることで様々な環境に対応して子孫を残していますが、人間は体の機能や成分を急激に変化させることはできません。
戦後、日本人の食事は一気に変化しました。
様々な病気が出てくるのはあたりまえですよね。。。