タイメディカルハーブを考える

タイメディカルハーブを中心に「食」と「健康」を考えます。日本では紹介されていないタイメディカルハーブなども紹介していきます。

タイの薬草学 その2<薬草学の歴史>

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さて、本日はタイ伝統医学(ペートペンタイ)のお話です。
ペートペンタイを語る上でタイの文化・風習ははずせません。タイは仏教の国です。しかも日本と違い、上座部仏教(小乗仏教:現在はこの呼び方は使われていません)です。
すごく簡単に言えば、上座部仏教ではお坊さんは生産活動をせず一生修行をする。そして、出家していない人はお坊さんに「喜捨」という形で食事をわたします。また、お寺は日本同様、寺子屋のような役割もしており、お坊さんが「先生」でもありました。(上座部仏教については、この文章だけでは誤解もあるかもしれませんが、本線からそれてしまうので最低限の知識のみです。)そして、お坊さんは山で修行をしています。すると、体調の悪そうな動物がいつも同じ植物を食べているのを見かけます。ある時村人が、「頭が痛いんですけど・・・」と相談してきます。お坊さんは、「では、この植物を食べなさい。」と村人に先の植物を食べさせます。時には治ることもあったでしょう。時には、その植物か原因で村人が死んでしまうこともあったでしょう。
このような「人体実験」を繰り返して、薬草の知識を増やしていったのです。

では、この薬草学の歴史はいつからなのでしょうか?
タイに仏教が伝わった頃からと考えると、仏教の伝来が諸説あるようですが、少なくともインドのアショーカ王(紀元前200年ごろ)の時代にはタイの地域で仏教を信仰しているという文献が残っているので約2200年くらいの仏教国となる。同時に、タイの薬草学は2200年以上の歴史があるということになります。